意味=「誰かの雲の中の一筋の虹になるように努力しなさい。」
マヤ・アンジェロウの名言
「Try to be a rainbow in someone’s cloud.」-Maya Angelou
「トゥライトゥービーアレインボウ インサムワンズクラウドゥ」
マーティン・ルーサー・キングと共に公民権運動にも参加したことがあり、大統領自由勲章を受賞した、アメリカを代表する詩人、作家、活動家のマヤ・アンジェロウの言葉です。
貧しい家庭に生まれたマヤは17歳で未婚の母になり、幼いころから貧困や差別と闘い続け、その壮絶な半生を描いた自伝「歌え、跳べない鳥たちよ」は大ヒットし、その力強い言葉はマイノリティーの人達のみならず、多くの人に光を与えました。
ちなみに、オバマ元大統領も彼女を敬愛する一人ですが、オバマ元大統領の妹のマヤ・カサンドラ・ストロ氏の「マヤ」は、オバマ氏の母がマヤ・アンジェロウに影響を受け、名付けたそうです。
実に詩的で美しく、静かに力強く優しい言葉です。
誰かの雲というのは実際の雲ではなく、心に立ち込める雲であり、心の中の闇のような部分を例えています。
誰しも心に雲がかかってしまい、前に進めなくなる、そんな時にその人が意図してか知らずか、まるで自分の心にかかる虹のように見える。
数々のどん底を経験しても挫けずあきらめなかったマヤは、誰かに虹をかけられ、また自身も多くの人に虹をかけてきたことでしょう。
どんなに辛い時でも、それがあるから生きてこれた、救いになったということは誰しもあるのではないでしょうか。
まさにこの言葉自体が、誰かの心の雲に虹をかけてくれています。
文の構造
「Try to be A in B.」=「Bの中のAになるように努力しなさい。」となります。
「A」=「 a rainbow」
「B」=「 someone’s cloud」が入ります。
「Try to be a rainbow」とは?
「try to~」=「~するよう努力する」という意味になります。
「try(トゥライ)」=「やってみる、試みる、ためす、悩ます、苦しめる、試練にあわせる、努力する」という意味の動詞、「試み、努力」という意味の名詞です。
「to(トゥー)」=「~に、~へ」という意味の前置詞です。
「try to~(トゥライトゥー)」=「~するよう努力する、~してみる、~しようとする」という意味になります。
似たような意味で、「try~ing」=「試しに~してみる」という言葉もありますが、この文では前者が使われています。
「be」=「なる」という意味になります。
「be(ビー)」=「なる」という意味の動詞です。
「try to be~」=「~になるようしてみる」という意味になりますが、「try」の前に何もないので命令形になり、
「Try to be~」=「~になるようにしてみなさい。」という意味になります。
「a」=「一つの、ある」という意味の不定冠詞で、数えられる名詞の前に付きます。
「rainbow(レインボウ)」=「虹」という意味の名詞です。
「a rainbow」=「一本の虹」という意味になります。
「Try to be a rainbow」=「虹になるように努力しなさい」という意味になります。
「in someone’s cloud」とは?
「in~」=「~の中の」という意味になります。
「in(イン)」=「~の中に、の」という意味です。
「in」はかなり色んな用法がありますが、とにかく「~の中」というイメージを持っておけば十分です。
「someone’s cloud」=「誰かの雲」という意味になります。
「someone(サムワン)」=「誰か、ある人、(特定の)誰か」という意味の代名詞です。
「somebody(サンバディー)」とほぼ同じ意味ですが、「someone」の方が少し丁寧なニュアンスになります。
この文では「someone’s」と所有格の「s」がついているので、「someone’s~」=「誰かの~」という意味になります。
「cloud(クラウドゥ)」=「雲、ほこり、煙、大群」という意味の名詞で、基本的に「雲」と思っていて大丈夫です。
煙も大群も雲のようなイメージですよね。
「someone’s cloud」=「誰かの雲」という意味になるので、
「in someone’s cloud」=「誰かの雲の中の」という意味になります。
訳すると・・・
「Try to be a rainbow in someone’s cloud.」
=「してみなさい、虹になるように、誰かの雲の中の」
=「誰かの雲の中の虹になるようにしてみなさい。」となります。
日本語で感じるよりも、英語の方がすっと入ってくるので不思議です。
情景が浮かぶ実に美しい名言です。
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