意味=「蝶のように漂え、蜂のように刺せ。」
モハメド・アリの名言
「Float like a butterfly, Sting like a bee.」-Muhammad Ali
「フロウト ライクアバタフライ スティング ライクアビー」
アメリカの黒人ボクサーで元WBC・WBA統一世界ヘビー級チャンピオン、モハメド・アリの名言です。
モハメド・アリは、190センチという大柄な体格にも関わらず、その俊敏なステップと刺す様な打撃で、ヘビー級のボクシングに革命をもたらしました。
アリはベトナム戦争の徴兵を拒否したことで投獄され、ボクサーとしての絶頂期にライセンスをはく奪されてしまいます。
それでもアリは自分の主張を変えずに、リングの外でも闘いを続け、ついに裁判で勝利し、3年半のブランクを経てまたリングに返り咲き、通算56勝5敗、3度の王座奪取、19度の王座防衛に成功するという輝かしい成績を残します。
試合前に相手を口汚く罵る、攻撃的な性格のアリですが、リング上だけでなく、人種差別や偏見とも闘い、戦争にも反対し、その自分の信念を曲げない強い姿勢は多くの人の心を動かし、2005年に大統領自由勲章を授与されます。
引退後はパーキンソン病を患い闘病生活を送りながらも、社会にメッセージを送り続け、湾岸戦争時には、病を押してイラクに赴き、アメリカ人の人質解放に成功します。
ボクシングでも社会に対しても、病とも、生涯闘い続けたアリの攻撃的な姿勢が、この言葉に凝縮されているような気がします。
短い言葉ですが、詩的で美しく、また自分のボクシングスタイルも反映しているという、絶妙なキャッチフレーズだと思います。
しなやかに、かつ強く生きろ、とアリが言ってくれているようです。
文の構造
「Float like A, Sting like B」=「Aのように漂え、Bのように刺せ」となります。
「A」=「a butterfly」
「B」=「a bee」が入ります。
同じ形態の文が二つ並んでいるだけのシンプルな構造です。
動詞が文の最初に来ているので、命令文になっています。
誰に命令しているのかと言われれば、相手に対してではなく、自分に対して言い聞かせている言葉です。
「Float like a butterfly」とは?
「Float」=「漂え」という意味になります。
「Float(フロウト)」=「浮く、漂う、心に浮かぶ、提案する」という意味の動詞で、「浮袋、浮船、屋台、用意した釣銭」という意味の名詞でもあります。
この文では動詞として使われています。
動詞の「float」が文の最初に来ているので、命令文になります。
「like(ライク)」=「~のように」という意味になります。
「like(ライク)」=「好む、好く、したい」という意味の動詞、「好み、似たもの」という意味の名詞であり、「~のような」という意味の副詞、前置詞、形容詞、接続詞でもあります。
動詞、名詞以外では、副詞、前置詞、形容詞、接続詞とたくさん用法があり、少し混乱してしまうので、とりあえず「~を好む」と「~のような」と覚えていれば大丈夫です。
この文では前置詞として「~のような」という意味で使われていて、この使い方は会話中にもよく使われて便利なので、まずはこれを知っておきましょう。
「a butterfly」=「(ある)蝶」という意味になります。
「a(ア)」=「一つの、ある」という意味の不定冠詞で、名詞の前に付きます。
「butterfly(バタフライ)」=「蝶、浮気者、おしゃれ」という意味の名詞です。
バタフライは日本でも耳にする言葉ですね。
「a butterfly」=「(ある)蝶」という意味になります。
「like a butterfly」=「蝶のような(ように)」、
「Float like a butterfly」=「蝶のように漂え」という意味になります。
「Sting like a bee」とは?
「sting」=「刺す」という意味になります。
「sting(スティング)」=「刺す、ひりひりさせる、苦しませる、だまし取る」という意味の動詞で、「刺すこと、刺し傷」という意味の名詞でもあります。
こちらも動詞で使われていて、一つ目の文と同じく最初に動詞が来ているので、命令文になります。
「like(ライク)」=「~のように」という意味になります。
「like(ライク)」=「好む、好く、したい」という意味の動詞、「好み、似たもの」という意味の名詞であり、「~のような」という意味の副詞、前置詞、形容詞、接続詞でもあります。
「a bee」=「(ある)ハチ」
「bee(ビー)」=「ミツバチ、働き者」という意味の名詞です。
「a bee」=「(ある)ハチ」、
「like a bee」=「ハチのように(ような)」となり、
「sting like a bee」=「ハチの様に刺せ」という意味になります。
訳すると・・・
「Float like a butterfly,Sting like a bee.」=「蝶のように漂え、蜂のように刺せ」という意味になります。
この名言の一般的な和訳としては、「蝶のように舞え」となっていますが、日本語の「舞う」には踊るというような意味もあり、「float」には踊るという意味はないので、英語の「float」本来の感じに近い「漂う」という言葉を選びました。
モハメド・アリの華麗な動きを想像しながら、ぜひ口に出してみてください。
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