意味=「私には、私の四人の子供たちがいつか、肌の色ではなく彼らの人格の中身によって判断される国に住めるようになる、という夢がある。私には今日、夢がある。」
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の名言
「I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character. I have a dream today.」-Martin Luther King Jr
「アイヘブアドゥリーム ダットゥマイフォーリトルチルドレン ウィルワンデイ リブインアネイション ウェアゼイウィルノット ビージャッジドゥ バイダカラーオブゼアースキン バットゥバイダコンテントゥ オブゼアーキャラクター。アイヘブアドゥリーム トゥデイ。」
アメリカ人の牧師で、人種差別に反対する運動を長年指導し続け、ついに1964年に人種差別を禁止する公民権法を国に制定させるに至りました。
マハトマ・ガンディーを敬愛し、非暴力を貫いて人種差別と闘い続けるその姿は世界中に勇気を与え、35歳の時にノーベル平和賞を授与されます。
残念ながら39歳の時に暗殺されてしまいますが、公民権法制定の約一年前のリンカーン記念館の敷地内で行った17分の魂のこもった演説はあまりにも有名です。
その演説は詩的で力強く、名言だらけなので、この文はあくまでも抜粋ですから、ぜひyoutubeなどでも見れますので、全演説を見てみてください。
なぜ、こんな当たり前のことを声高に言わなければいけないのか、と思うと悲しくて胸が締め付けられる思いで、もし自分だったら萎えてしまいそうです。
しかし、キング牧師は引かずに強い姿勢で、それはおかしいことだと主張し続けました。
その震えるような声で放たれるパワフルな言葉には、心揺さぶられてしまいます。
少し長い文章になっていますが、ぜひキング牧師のように力強い言い方で、口に出してみて下さい。
文の構造
「I have a dream that A.」=「私はAという夢がある。」という意味になります。
「A」=「 my four little children will one day live in B.」=「私の小さな4人の子供たちがいつかBに住むだろう。」
「B」=「 a nation where C.」=「Cという国。」
「C」=「 they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character.」
=「彼ら(四人の子供たち)は肌の色で判断されず、彼らの人格の中身で判断されるだろう。」
私には夢がある→(どんな夢)?→四人の子供たちがいつか国に住む夢→(どんな国?)→彼らが肌の色で判断されず人格の中身で判断されるだろう国、
というように、最初に言ったことが次々と具体的に説明されていく文章になっていて、それぞれの言っていること自体は決して難しいものではありません。
一見難しく見えますが、マトリョーシカのようにシンプルな構造が連続している感じです。
「I have a dream that~」とは?
「I have(アイヘヴ)~」=「私~を持っている」という意味になります。
「I(アイ)」=「私(は、が)」という意味の代名詞であり、「私、自我、我」という意味の名詞でもあります。
「have(ヘブ)」=「持つ、取る、食べる、渡す、もらう、所有する、過ごす」という意味の動詞で、様々な意味がありますが、この文では「持つ」という意味になります。
感覚としては、日本語の「持つ」という意味を少し広げた感じでしょうか
「a dream(ドゥリーム)」=「一つの、ある夢」という意味になります。
「a(ァ)」=「一つの、ある」という意味の不定冠詞で、名詞の前に付きます。
「dream(ドゥリーム)」=「夢、夢を見る(寝ている時)、夢を見る(理想を思い描く)」という意味の動詞であり、名詞でもあります。
名詞でも使いますし、動詞としても使うというのがややこしいですが、前後や文全体を見て判断できます。
今回は、夢(理想を描く)という方で使われています。
「I have a dream」=「私には夢がある」という意味になります。
「a dream that(ドゥリームダット)~」=「~である一つの、ある夢」という意味になります。
「that」が接続詞になり、夢の内容を「that」以下で「どんな夢か?」ということを説明している構造になっています。
「that(ダット)」=「~ということを・は・で、~なので、~するために、~ほど、~とは、~だけれども、~だといいが、~する限りは」という意味の接続詞、「あれ、それ、あの人」という意味の代名詞、「あの、その」という意味の形容詞、「~するところの・であるところの」という意味の関係代名詞、「そんなに」という意味の副詞でもあります。
この「that」は接続しているだけなので、「あれ、それ」というような言葉自体の意味はありません。
「I have a dream that~」=「私は~という、ある一つの夢がある」という意味になります。
これ以降の「that」がかなり長い文章になっていますが、一つ一つ読み解いていきましょう。
「my four little children will one day live in ~」とは?
文の構造のAの部分です。
「my four little children(マイフォーリルチルドレン)」=「私の幼い4人の子供たち」という意味になります。
「my(マイ)」=「私の」という意味の「I」の所有格です。
「four(フォー)」=「4の、4個の、4人の、4歳で」という意味の形容詞、「4、4個、4人、4歳」という意味の名詞です。
お馴染みの数字の「フォー」です。
「little(リトゥル)」=「小さい、幼い、(距離・時間が)短い、ほとんどない、卑劣な」という意味の形容詞、「少し、しばらく、短い時間・距離」という意味の名詞、「少しは、ほとんど~ない、全く~ない」という意味の副詞です。
「children(チルドレン)」=「子供たち」という意味になります、「child」の複数形です。
「child(チャイルド)」=「子供、幼児、子孫、弟子」という意味の名詞です。
「childs」とは言わないので注意です。
「will live in~」=「~に住むだろう」という意味になります。
「will(ウィル)」=「だろう、するつもりだ、してくれる」という意味の助動詞、「意志、意思、決意、望み」という意味の名詞です。
「live in ~」=「~に住む」という意味になります。
「live」=「生きる、生きている、住む、住んでいる、存在する、暮らす」という意味の動詞です。
「in(イン)」=「~の中に」という意味の前置詞、「中へ」という意味の副詞、「内部の」という意味の形容詞、「s」がついて「与党、現職者」という意味の名詞でもあります。
「in」はかなり色んな用法がありますが、とにかく「~の中」というイメージを持っておけば十分です。
「will live in~」=「~に住むだろう」という意味になります。
「one day」=「いつの日か、ある日」という意味になります。
「one(ワン)」=「一つ(の)、一個(の)」という意味の形容詞、「誰でも、それ、一つ」という意味の代名詞、「一、一個、一人」という意味の名詞です。
「day(デイ)」=「日、一日、昼、記念日、時代」という意味の名詞です。
「one day」=「いつの日か、ある日」という意味になります。
「will oneday live in~」=「~にいつか住むだろう」という意味になります。
「my four little children will one day live in ~」=「私の幼い4人の子供たちはいつか~に住むだろう」という意味になります。
「a nation where they will not be judged by the color of their skin」とは?
文の構造のBとCの前半の部分です。
「a nation where~」=「~である一つの国家」という意味になります。
「a」=「一つの、ある」という意味の不定冠詞で、数えられる名詞の前に付きます。
「nation(ネイション)」=「国民、国家、民族」という意味の名詞です。
「where(ウェア)」=「どこ、場所、光景」という意味の名詞、「どこ(に、で、へ、から)、どの位置に、~するところの、~する場所に」という意味の代名詞、副詞、「~する所に、~する場合には」という意味の接続詞です。
「I have a dream that」の「that」と同じ使い方だと思って大丈夫です。
「a nation where ~」=「ある国、そこは~」という感じで、「a nation」の内容を「where」以下で説明するためにくっついていると思ってください。
「a nation」はどんな場所なのか、ということが、「where」以下で説明されています。
「they will not ~」=「彼らは~しないだろう」という意味になります。
「they(ゼイ)」=「それら、彼ら」という意味の代名詞です。
「not(ナット)」=「~でない、~しない」という意味の副詞になります。
「be judged」=「判断される」という意味になります。
「be(ビー)」=「なる、である、いる、存在する」という意味の動詞、助動詞で、たくさんの意味があります。
「judge(ジャッジ)」=「判断する、裁く、裁判する、判決を下す」という意味の動詞、「裁判官、判事、審判」という意味の名詞になります。
「be judged」=「判断される」という意味の受け身になっています。
受け身とは、「be動詞」+「動詞の過去分詞形」=「~される」という意味になります。
例えば、
「Nectar is collected by bees.」=「蜜は蜂によって集められる。」
「That car is washed by him.」=「その車は彼によって洗われる。」などがそうです。
「by」をつけると、「~によって」という意味になります。
また、過去形にしたい時は、
「That car was washed by him.」=「その車は彼によって洗われた。」
のように、「be動詞」の部分を過去形にすれば大丈夫です。
「will」がついても同じことです。
「they will not be judged」=「彼らは判断されないだろう」という意味になります。
「by the color of their skin」=「彼らの肌の色によって」という意味になります。
「by(バイ)」=「そばに、を過ぎて、を通って、によって」という意味の前置詞、「近くに、そばに、過ぎて」という意味の副詞、「偶然の、脇道の、へんぴな、付随的な」という意味の形容詞です。
「the(ダ)」=「その、あの、例の」という意味の定冠詞で、「それだけ、ますます」という意味の副詞です。
「color(カラー)」=「色彩、絵の具、肌色、性格、外見」という意味の名詞、「色を付ける、染める、影響を与える」という意味の動詞です。
「the color」=「その色」という意味になります。
「of(オブ)」=「~の、~に」という意味の前置詞で、「所有・所属」、「距離・分離」「起源」「時刻」「理由・原因」「材料・構成」「分量」「部分」「関係」「作者・行為者」など、実に様々な時に使われます。
日本語の「の」ほどではないですが、多様に使われるので、その都度覚えてしまいましょう。
「their(ゼア)」=「彼らの」という意味の「they」の所有格です。
「skin(スキン)」=「皮、皮膚」という意味の名詞、「皮をはぐ、脱皮する、すりむく、皮で覆う」という意味の名詞です。
「their skin」=「彼らの肌」という意味になります。
「the color of their skin」=「彼らの肌の色」という意味になります。
「by the color of their skin」=「彼らの肌の色によって」という意味になります。
「they will not be judged by the color of their skin」=「彼らは判断されないだろう、彼らの肌の色によって」という意味になります。
「a nation where they will not be judged by the color of their skin」=「彼らの肌の色によって彼らが判断されないだろう国」という意味になります。
「but by the content of their character. I have a dream today.」とは?
Cの後半の部分です。
「but」=「しかし」という意味になります。
「but(バット)」=「しかし、けれども」という意味の接続詞です
「by the content of their character.」
「content(カンテント)」=「内容、容積、中身」という意味の名詞です。
「the content(カンテント)」=「その内容」という意味になります。
「by the content of ~」=「~の内容によって」という意味になります。
「character(キャラクター)」=「人格、精神力、特徴、評判、文字、字体、記号」という意味の名詞です。
「their character」=「彼らの人格」という意味になります。
「the content of their character」=「彼らの人格の中身」という意味になります。
「by the content of their character」=「彼らの人格の中身によって」という意味になります。
「but by the content of their character」=「しかし、彼らの人格の中身によって」という意味になります。
この文は「but」がつくことによって、前文とは違う意味である、ということを示しています。
よく使われる「but」の使い方で、前の文と比較したい時などに使います。
前文の、「they will not be judged by the color of their skin」の続きになっています。
そして、「they will be judged」が省略されている形になっています。
同じ形の文が反復されるときは、省略することがよくあります。
例えば「That car was not washed by me, but by him.」=「あの車は私ではなく、彼によって洗われた。」という文と同じ構造です。
日本語でも、「あの車を私は洗っていない、彼だ。」と言われたら、すぐに理解できるでしょう。
わざわざ、「あの車を私は洗っていない、あの車を洗ったのは彼だ。」と、必ずしも省略せずに言うことはそう多くないと思います。
しかも、頭の中で勝手に「あの車を洗ったのは~。」という前文と逆の意味の文章を「彼」の前に補完して考えることが出来るので、人間とはなんと頭の良い生き物なんだと思います。
この文も同じで、分かりづらければ、「they will be judged」を入れて考えてみましょう。
「but (they will be judged) by the content of their character」=「しかし彼らは判断されるだろう、彼らの人格の中身によって」という意味になります。
前文とつなげてみると、「they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character」=「彼らは、彼らの肌の色によって判断されないだろう、彼らの人格の中身によって判断されるだろう」という意味になります。
「today(トゥデイ)」=「今日(きょう)、現在、現代、今日(こんにち)」という意味の名詞、副詞です。
「I have a dream today.」=「私は今日、夢がある。」という意味になります。
訳すると・・・
「I have a dream that my four little children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character. I have a dream today.」-Martin Luther King Jr」
=「私には夢がある、私の四人の子供たちがいつか、肌の色で判断されず、人格の中身によって判断される国に住むだろう。私は今日夢がある。」
=「私には、私の四人の子供たちがいつか、肌の色ではなく彼らの人格の中身によって判断される国に住めるようになる、という夢がある。私には今日、夢がある。」となります。
非常に長い文でしたが、いかがだったでしょうか?
ぜひ、日本語訳ではなく、キング牧師の言葉をダイレクトに感じてみて下さい。
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