意味=「心は永遠に未経験である。」
文の構造
「A is B.」=「AはBだ。」
「A」=「The heart」
「B」=「forever inexperienced」が入ります。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの名言
「The heart is forever inexperienced.」-Henry David Thoreau
「ダハートゥ イズ フォーエヴァー イニクスピエリエンストゥ。」
アメリカの作家であり、湖畔の森の中での自給自足生活を綴った「ウォールデン 森の生活」というエッセイは、アメリカでノンフィクション文学の最高傑作の一つであると言われています。
エッセイの中には、2年2ヶ月の生活を通して、哲学や生き方、社会に対する思想など、様々な考えが詰め込まれていて、今なお多くの人に影響を与え続けています。
ハーバード大学を卒業した後、教師など様々な仕事をしますが、定職には尽きませんでした。
作家で哲学者のラルフ・ウォルド・エマーソンとも交流があり、奴隷制に反対するために税金の支払いを拒否し、投獄されるに至った行為は「市民的不服従」と呼ばれ、後のマハトマ・ガンディーやキング牧師など、世界中に影響を与えました。
44歳という若さで結核で亡くなるまでに、数多くの名言を残しています。
そんなヘンリー・デイヴィッド・ソローの、生き方に関する名言です。
長年生きていると、毎日同じことの繰り返しで、何をやるにしても新鮮さがなくなっていると感じることはあります。
しかし、ヘンリーは、心は永遠に未経験である、と言っています。
経験したことと似たことが起きることはあっても、全く同じことが起きることはあり得ません。
どんなに年をとっても、何かに感動したり、悲しんだりすることもあり、相変わらず心は新鮮なままである、ということでしょう。
短い言葉ですが、ロマンティックさも感じる、深い言葉ですね。
「The heart is~」とは?
「the heart」=「その心」という意味になります。
「the(ダ)」=「その、あの、例の」という意味の定冠詞で、「それだけ、ますます」という意味の副詞です。
「heart(ハート)」=「心臓、胸、心、気持ち、愛情、元気、勇気、勇者、性格、中心、芯、ハート形のもの」という意味の名詞です。
日本でもよく聞く「ハート」ですね。
「the heart」=「その心」という意味になります。
「is」=「~は」という意味になります。
「is(イズ)」=「~は」という意味の動詞、be動詞です。
「the heart is~」=「その心は~」という意味になります。
「forever」とは?
「forever」=「永遠に」という意味になります。
「forever(フォーエヴァー)」=「永久に、永遠に、いつも、長時間にわたって」という意味の副詞です。
「フォーエバー」は邦楽の歌詞でもよく出てくる言葉ですね。
「inexperienced」とは?
「inexperienced」=「未経験な」という意味になります。
「inexperienced(イニクスピエリエンストゥ)」=「無・未経験な、未熟で」という意味の形容詞です。
ちなみに、
「inexperience」=「無・未経験、未熟」という意味の名詞で、これに「ed」がついて形容詞になっています。
語尾が「ed」になっている形容詞はたくさんあるので、過去形と混同しないように気を付けましょう。
この場合、「名詞+ed」=「~を持った」という意味の形容詞になります。
「名詞+ed」の形容詞とは?
「名詞+ed」=「~を持った」という意味の形容詞になります。
一方、過去分詞形の形容詞は、「~された、~した」という意味になります。
「inexperience」に動詞の意味はないので過去分詞形はなく、「inexperience」の過去分詞形が形容詞になっている訳ではありません。
「inexperience」+「ed」=「未経験を持った」=「未経験な」という意味になります。
他にも、
「skilled」=「熟練した(技術を持った)」
「bearded」=「あごひげのある(あごひげを持った)」
「long haired」=「髪の長い(長い髪を持った)」
「experienced」=「経験に富む、熟練の、老練な(経験を持った)」
などがあり、名詞に「ed」がついたもので、上記は全部形容詞としての意味になっています。
知らないと一瞬戸惑いますが、必ずしも動詞に「ed」が付くとは限らないと頭に入れておきましょう。
ちなみに、「experienced」には二つの意味があります。
「experienced」は二つの意味があるので注意
「experience」=「経験する、経験で知る」という意味の動詞、「体験、経験、こつ、感覚」という意味の名詞です。
上記の「experienced」=「熟練の」は、動詞が過去分詞になった形容詞ではなく、「体験、経験、こつ、感覚」という意味の名詞に「ed」がついたものになっています。
過去分詞形の意味は、
「experienced」=「経験した(経験された)」という意味になります。
例えば、
「experienced misfortune」=「経験した不幸」(過去分詞形)
「experienced teacher」=「熟練の教師」(名詞+ed)
と、由来の違う形容詞として意味が使い分けられます。
「experienced」=「熟練の、経験した」という二つの意味があることを知っておきましょう。
このように、動詞も名詞も両方ある単語では、どっちなのか非常に分かりづらいので、文脈を注意して見ていく必要があります。
混乱してしまうようなら、その都度形容詞の意味を丸ごと覚えてしまいましょう。
訳すると・・・
「The heart is forever inexperienced.」=「その心は永遠に未経験だ。」となります。
ぜひ、声に出して読んでみて下さい。
Your heart is forever inexperienced!
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