意味=「盲目になることよりひどい唯一のことは、視覚はあっても未来像がないことです。」
ヘレン・ケラーの名言
「The only thing worse than being blind is having sight but no vision.」-Helen Keller
「ダオウンリーティング ウォースダンビーイング ブラインドゥ イズヘヴィングサイトゥ バットゥ ノウヴィジョン。」
文の構造
「A is B .」=「AはBだ。」となります。
「A」=「The only thing worse than being blind」
「B」=「having sight but no vision」
文自体は長いですが、全体で見ると非常にシンプルな構造になっています。
「The only thing worse than being blind」とは?
「the only thing」=「その唯一のこと」という意味になります。
「the(ダ)」=「その、あの、例の」という意味の定冠詞で、「それだけ、ますます」という意味の副詞です。
「only(オウンリー)」=「~だけの、唯一の、ただ~」という意味の形容詞、副詞、接続詞です。
使い方が色々あるのですが、基本的には上記の意味で覚えていれば大丈夫です。
和製英語だと、「オンリーワン」の「オンリー」です。
「thing(ティング)」=「物、事、物事、事情、事態、行為、意見、事項」という意味の名詞です。
「the only thing」=「その唯一のこと(物)」という意味になります。
「worse than~」=「~よりひどい」という意味になります。
「worse」=「より悪い、悪化して」という意味の形容詞、「より悪く、よりひどく」という意味の副詞、「いっそう悪い事、敗北」という意味の名詞、で、「bad」の比較級です。
「bad」は、「bad→worse(ウォース)→worst(ウォースト)」と変化します。
ちなみに、
「bad(バッド)」=「悪い、不良の、不正の、不吉の、病気の、ひどい、危険な」という意味の形容詞、悪いもの、悪い状態、悪さ」という意味の名詞です。
「than」=「~より、~よりむしろ」という意味の接続詞、前置詞です。
比較級を使う文章の時、何かを比べるとき、よくこの「than」が出てきます。
「worse than~」=「~よりひどい」という意味になります。
比較級とは?
比較級とは、「~より~が良い(悪い)」と英語で言いたい時、その時使っている形容詞、副詞、の言葉自体を変化させるルールが英語にはあり、その変化した言葉のことを比較級と呼びます。
例えば、日本語では「この青いシャツは、この白いシャツよりも大きい。」と言う時、「大きい」という形容詞自体が変化します。
日本人にはない面倒くさすぎるルールですが、日本語が便利すぎるのかもしれません。
なので、英語だと、「big(ビッグ)」=「大きい」という形容詞が、「bigger(ビガー)」と変化します。
「この青いシャツは、この白いシャツよりも大きい。」=「This blue shirt is bigger than this white shirt.」となります。
しかも、変化の仕方が3パターンあり、語尾に「er」をつけるもの、「er」は付けずに前に「more(モア)」が付くもの、言葉自体がそっくり変わってしまうものがあります。
「big(ビッグ)」は、「big(ビッグ)」→「bigger(ビガー)」ですが、「good(グッドゥ)」→「better(ベトゥアー)」とまるごと変化し、「gooder(グッダー)」とはなりません。
「beautiful(美しい)」→「more beautiful(モアビューティフウ)」と変化し、これは「more(モア)」が前に付くだけで、「beautiful(ビューティフウ)」自体は変化しません。
「beautiful」のように長めの単語は変化せずに、「more」が前に付くだけです。
この変化の仕方は言葉によって異なりますが、よく使われてくるものは限られてきますし、次第に感覚で分かっていくので、その都度覚えていけば大丈夫です。
「bad」は、言葉自体が変化する動詞で、「bad(バッド)→worse(ウォース)→worst(ウォースト)」と変化します。
「bad」は、言葉自体が変わっているので、「more」をつけなくて大丈夫です。
「being blind」=「盲目になること」
「being」=「be」+「ing」の動名詞になっています。
「be(ビー)」=「なる、である、いる、存在する」という意味の動詞、助動詞で、たくさんの意味があります。
今回は、「なる」という意味にで使われています。
「ing」=現在分詞、動名詞を作る接尾辞で、動詞に「ing」がつくと、現在進行形や、形容詞的な使い方が出来ます。
「being」=「なること」という意味になります。
「blind(ブラインドゥ)」=「盲目の、盲目的な、隠れた、行き止まりの」という意味の形容詞、「盲目的に、すごく」という意味の副詞、「盲目にする、あざむく」という意味の動詞、「ブラインド、人の目をくらますもの」という意味の名詞です。
和製英語だと、「窓のブラインドを下げる」と言う時に使う「ブラインド」のイメージが強いかもしれません。
ちなみに、「盲目」という意味の英語は、「blindness」になるので、注意です。
「being blind」=「盲目になること」という意味になります。
動名詞とは
動名詞とは、動詞に「ing」を付けたことで名詞になったものを言います。
例えば、
「walk(歩く)」→「walking(歩くこと)」、「swim(泳ぐ)」→「swimming(泳ぐこと、水泳)」、「dive(潜る)」→「diving(潜ること、潜水)」というように名詞になります。
よく使うものは、日本語英語でも耳慣れたものになっています、「ウォーキング」「ランニング」「スイミング」「クライミング」も全て動名詞ですね。
「the only thing worse than ~」=「~よりひどい唯一のこと」という意味になります。
「being blind」をくっつけて、
「the only thing worse than being blind」=「盲目になることよりひどい唯一のこと」という意味になります。
「~is having sight but no vision」とは?
「is」=「~は」という意味になります。
「is(イズ)」=「~は」という意味の動詞、be動詞です。
「having sight」=「視覚があること」という意味になります。
「having」=「have」+「ing」の動名詞になっています。
「have(ヘブ)」=「持つ、取る、食べる、渡す、もらう、所有する、過ごす、招く、もてなす」という意味の動詞です。
今回は、「持つ」という意味で使われています。
「having」=「持つこと」という意味になります。
「sight(サイト)」=「視力、視覚、視界、見ること、目撃、観察、光景、名所」という意味の名詞、「見る、目撃する、観測する」という意味の動詞です。
「having sight」=「視覚を持つこと」=「視覚があること」という意味になります。
「but no vision」=「しかし、未来像がない」という意味になります。
「but(バット)」=「しかし、けれども」という意味で、接続詞、前置詞、副詞、関係代名詞など、様々な用法があります。
「no(ノウ)」=「ない、何もない、決して~ない」という意味の形容詞、「いいえ、~でない、少しも~でない、まさか」という副詞、「いいえ(という言葉)、否定、拒絶」という名詞です。
「vision(ヴィジョン)」=「視力、視覚、見ること、想像力、洞察力、未来像、考え、映像、ビジョン」という意味の名詞です。
和製英語で使われている「ビジョン」と同じような意味ですね。
「sight」も「vision」もどちらも「視覚」という意味がありますが、「sight」は「物理的に見る」という意味なのに対して、「vision」には「未来像」や「想像力」という意味もあり、この文では違うことを言っているので注意です。
「having sight」=「視力があること」という意味に対して、「having vision」=「未来像があること」という意味になります。
「but no vision」=「しかし、ない未来像」=「しかし、未来像がない」という意味になります。
分かりづらければ、「having」をつけて、「having no vision」と考えてみましょう。
「having vision」=「未来像があること」という意味、
「having no vision」=「未来像がないこと」という意味になります。
「having sight but no vision」=「視覚はあるが、未来像のないこと」という意味になります。
「is」をつけて、
「~is having sight but no vision」=「~は、視覚はあるが未来像がないこと」という意味になります。
この文にあるような、「but」を使った動詞を省略した文は、前半と後半で同じ動詞を使っている時に、作ることが出来ます。
「but」を伴う省略の文
例えば、「お金はあるが未来像が何もない。」と言いたい場合、
「I have money, but I don’t have any visions.」と言う事が出来ますが、同じ「have」という動詞を使っているので、「have」を省略して、
「I have money but no visions.」という事が出来ます。
一見混乱してしまいがちですが、こういう「but」の使い方は英語ではちょくちょく出てくるので、頭に入れておきましょう。
全部つなげて訳すると・・・
「The only thing worse than being blind is having sight but no vision.」
=「盲目になることよりひどい唯一のことは、視覚があるが未来像がないことだ。」という意味になります。
ヘレンのように、ビジョンを持って強く生きていきたいと思わしてくれる言葉です。
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