「The only thing worse than being blind is having sight but no vision.」-Helen Keller(ヘレン・ケラー)

人生観
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意味=「盲目になることよりひどい唯一のことは、視覚はあっても未来像がないことです。」

ヘレン・ケラーの名言

「The only thing worse than being blind is having sight but no vision.」-Helen Keller

「ダオウンリーティング ウォースダンビーイング ブラインドゥ イズヘヴィングサイトゥ バットゥ ノウヴィジョン。」

見えず、聞けず、しゃべれずの三重苦とも言われる障碍を背負ってもなお、前向きに生きたヘレン・ケラーの名言です。
裕福な家庭に生まれたヘレン・ケラーは、赤ん坊の時に高熱を患った影響で、視力、聴力を失い、当然しゃべることも学べないまま、家では好き放題暴れる子供になり、両親も頭を抱えていました。
そこに派遣されてきた盲学校のサリバン先生が、暴れるヘレン・ケラーに必死で指文字を教え続けます。
あまりの壮絶な二人のやり取りに、両親は訓練を止めるよう申し入れますが、それでは彼女のためにならないとサリバンははね付けます。
ヘレンは、自分を押さえつけ、意味の分からないことをやり続けてくるサリバンを敵のように思っていましたが、ある日、水に触って指文字を教えられた時に、今までサリバンが自分にしてきたことの意味が、全て一本の線になって理解でき、ヘレンは遂に闇を脱します。
ヘレンは闇の世界でもがき続けましたが、サリバン先生の協力で言葉の概念を知り、今までの態度は一変し、遂には生きることに喜びを見出すことが出来ました。
その後ヘレン・ケラーは、作家になり、人種差別の撤廃や男女同権を唱え、戦争にも反対するなど、その活動は世界中の人々を今なお勇気づけています。
そんなヘレン・ケラーの、生き方に関するハッとさせられる名言です。
物理的に視力があり、目が見えているからといって、将来の展望や、自分がこれから何をしたくて、何をすべきか、分かっているとは全く限りません。
むしろ、そういったビジョンが見えていない方が、盲目よりも酷いことだとヘレン・ケラーは言っています。
本当の意味の盲目というのは、実際の視力があるないではない、心の問題だと言わんばかりです。
また、こんなことを言えてしまうヘレン・ケラーの強さにも感服します。
自分の障碍をマイナスに捉えていないからこそ出る強い言葉でしょう。
「sight」と「vision」という似た意味の言葉を使い、二つの意味の「見る」ということを対比させている、面白い文章でもあります。

文の構造

「A is B .」=「AはBだ。」となります。

「A」=「The only thing worse than being blind」

「B」=「having sight but no vision」

文自体は長いですが、全体で見ると非常にシンプルな構造になっています。

「The only thing worse than being blind」とは?

「the only thing」=「その唯一のこと」という意味になります。

「the(ダ)」=「その、あの、例の」という意味の定冠詞で、「それだけ、ますます」という意味の副詞です。

「only(オウンリー)」=「~だけの、唯一の、ただ~」という意味の形容詞、副詞、接続詞です。

使い方が色々あるのですが、基本的には上記の意味で覚えていれば大丈夫です。

和製英語だと、「オンリーワン」の「オンリー」です。

「thing(ティング)」=「物、事、物事、事情、事態、行為、意見、事項」という意味の名詞です。

「the only thing」=「その唯一のこと(物)」という意味になります。

「worse than~」=「~よりひどい」という意味になります。

「worse」=「より悪い、悪化して」という意味の形容詞、「より悪く、よりひどく」という意味の副詞、「いっそう悪い事、敗北」という意味の名詞、で、「bad」の比較級です。

「bad」は、「bad→worse(ウォース)→worst(ウォースト)」と変化します。

ちなみに、

「bad(バッド)」=「悪い、不良の、不正の、不吉の、病気の、ひどい、危険な」という意味の形容詞、悪いもの、悪い状態、悪さ」という意味の名詞です。

than=~より、~よりむしろ」という意味の接続詞、前置詞です。

比較級を使う文章の時、何かを比べるとき、よくこの「than」が出てきます。

「worse than~」=「~よりひどい」という意味になります。

比較級とは?

比較級とは、「~より~が良い(悪い)」と英語で言いたい時、その時使っている形容詞、副詞、の言葉自体を変化させるルールが英語にはあり、その変化した言葉のことを比較級と呼びます。

例えば、日本語では「この青いシャツは、この白いシャツよりも大きい。」と言う時、「大きい」という形容詞自体が変化します。

日本人にはない面倒くさすぎるルールですが、日本語が便利すぎるのかもしれません。

なので、英語だと、「big(ビッグ)」=「大きい」という形容詞が、「bigger(ビガー)」と変化します。

「この青いシャツは、この白いシャツよりも大きい。」=「This blue shirt is bigger than this white shirt.」となります。

しかも、変化の仕方が3パターンあり、語尾に「er」をつけるもの、「er」は付けずに前に「more(モア)」が付くもの、言葉自体がそっくり変わってしまうものがあります。

「big(ビッグ)」は、「big(ビッグ)」→「bigger(ビガー)」ですが、「good(グッドゥ)」→「better(ベトゥアー)」とまるごと変化し、「gooder(グッダー)」とはなりません。

「beautiful(美しい)」→「more beautiful(モアビューティフウ)」と変化し、これは「more(モア)」が前に付くだけで、「beautiful(ビューティフウ)」自体は変化しません。

「beautiful」のように長めの単語は変化せずに、「more」が前に付くだけです。

この変化の仕方は言葉によって異なりますが、よく使われてくるものは限られてきますし、次第に感覚で分かっていくので、その都度覚えていけば大丈夫です。

「bad」は、言葉自体が変化する動詞で、「bad(バッド)→worse(ウォース)→worst(ウォースト)」と変化します。

「bad」は、言葉自体が変わっているので、「more」をつけなくて大丈夫です。

「being blind」=「盲目になること」

「being」=「be」+「ing」の動名詞になっています。

「be(ビー)」=「なる、である、いる、存在する」という意味の動詞、助動詞で、たくさんの意味があります。

今回は、「なる」という意味にで使われています。

「ing」=現在分詞、動名詞を作る接尾辞で、動詞に「ing」がつくと、現在進行形や、形容詞的な使い方が出来ます。

「being」=「なること」という意味になります。

「blind(ブラインドゥ)」=「盲目の、盲目的な、隠れた、行き止まりの」という意味の形容詞、「盲目的に、すごく」という意味の副詞、「盲目にする、あざむく」という意味の動詞、「ブラインド、人の目をくらますもの」という意味の名詞です。

和製英語だと、「窓のブラインドを下げる」と言う時に使う「ブラインド」のイメージが強いかもしれません。

ちなみに、「盲目」という意味の英語は、「blindness」になるので、注意です。

「being blind」=「盲目になること」という意味になります。

動名詞とは

動名詞とは、動詞に「ing」を付けたことで名詞になったものを言います。

例えば、

walk(歩く)walking(歩くこと)」、「swim(泳ぐ)swimming(泳ぐこと、水泳)」、「dive(潜る)diving(潜ること、潜水)」というように名詞になります。

よく使うものは、日本語英語でも耳慣れたものになっています、「ウォーキング」「ランニング」「スイミング」「クライミング」も全て動名詞ですね。

「the only thing worse than ~」=「~よりひどい唯一のこと」という意味になります。

「being blind」をくっつけて、

「the only thing worse than being blind」=「盲目になることよりひどい唯一のこと」という意味になります。

「~is having sight but no vision」とは?

「is」=「~は」という意味になります。

「is(イズ)」=「~は」という意味の動詞、be動詞です。

「having sight」=「視覚があること」という意味になります。

「having」=「have」+「ing」の動名詞になっています。

「have(ヘブ)」=「持つ、取る、食べる、渡す、もらう、所有する、過ごす、招く、もてなす」という意味の動詞です。

今回は、「持つ」という意味で使われています。

「having」=「持つこと」という意味になります。

「sight(サイト)」=「視力、視覚、視界、見ること、目撃、観察、光景、名所」という意味の名詞、「見る、目撃する、観測する」という意味の動詞です。

「having sight」=「視覚を持つこと」=「視覚があること」という意味になります。

「but no vision」=「しかし、未来像がない」という意味になります。

「but(バット)」=「しかし、けれども」という意味で、接続詞、前置詞、副詞、関係代名詞など、様々な用法があります。

「no(ノウ)」=「ない、何もない、決して~ない」という意味の形容詞、「いいえ、~でない、少しも~でない、まさか」という副詞、「いいえ(という言葉)、否定、拒絶」という名詞です。

「vision(ヴィジョン)」=「視力、視覚、見ること、想像力、洞察力、未来像、考え、映像、ビジョン」という意味の名詞です。

和製英語で使われている「ビジョン」と同じような意味ですね。

「sight」も「vision」もどちらも「視覚」という意味がありますが、「sight」は「物理的に見る」という意味なのに対して、「vision」には「未来像」や「想像力」という意味もあり、この文では違うことを言っているので注意です。

having sight」=「視力があること」という意味に対して、「having vision」=「未来像があること」という意味になります。

「but no vision」=「しかし、ない未来像」=「しかし、未来像がない」という意味になります。

分かりづらければ、「having」をつけて、「having no vision」と考えてみましょう。

「having vision」=「未来像があること」という意味、

「having no vision」=「未来像がないこと」という意味になります。

「having sight but no vision」=「視覚はあるが、未来像のないこと」という意味になります。

「is」をつけて、

「~is having sight but no vision」=「~は、視覚はあるが未来像がないこと」という意味になります。

この文にあるような、「but」を使った動詞を省略した文は、前半と後半で同じ動詞を使っている時に、作ることが出来ます。

「but」を伴う省略の文

例えば、「お金はあるが未来像が何もない。」と言いたい場合、

「I have money, but I don’t have any visions.」と言う事が出来ますが、同じ「have」という動詞を使っているので、「have」を省略して、

「I have money but no visions.」という事が出来ます。

一見混乱してしまいがちですが、こういう「but」の使い方は英語ではちょくちょく出てくるので、頭に入れておきましょう。

全部つなげて訳すると・・・

「The only thing worse than being blind is having sight but no vision.」

=「盲目になることよりひどい唯一のことは、視覚があるが未来像がないことだ。」という意味になります。

ヘレンのように、ビジョンを持って強く生きていきたいと思わしてくれる言葉です。

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