意味=「最後には、全て笑い話だ。」
チャールズ・チャップリンの名言
「In the end, everything is a gag. 」-Charles Chaplin
「インディ エンドゥ、エヴリティング イズ アギャグ」
イギリス生まれの俳優、映画監督、脚本家、プロデューサーであり、稀代のコメディアンであるチャールズ・チャップリンの名言です。
代表作は、「キッド」、「黄金狂時代」、「街の灯」、「モダンタイムス」、「独裁者」、「ライムライト」などです。
芸人である両親のもとに生まれたチャップリンは、幼いころに両親が離婚し、母親に育てられるも生活は貧しく、何度も施設に預けられます。
代役を務めることがきっかけで5歳で舞台に立ったチャップリンは、子供ながらに巡業公演に出演するなど、舞台で経験を積んでいき、13歳で学業は諦め、ボーイや作業員などのアルバイトで生計を立てながら、俳優を夢見ます。
大人になると、舞台で人気を博していたチャップリンの手腕を見込まれ、映画会社と契約して出演した作品がヒットし、以降色々な映画会社を渡り歩きながら自身のスタイルを確立し、世界的なスターに上り詰めます。
そのコミカルな動きや人生を描いたような悲哀に満ちたストーリー、時には権力者を徹底的にこき下ろす風刺たっぷりの作品は、コメディ・人間ドラマとして今なお世界中の人々を魅了し続けています。
欧米で起こっていた戦争の影響もあり、その舌鋒鋭い表現は一時期アメリカからは疎んじられ、追放されてしまいますが、その後再評価され、アカデミー名誉賞を授与されたり、イギリスからはナイトの称号も与えられています。
ちなみに、チャップリンは日本人の勤勉さが気に入り、家での使用人は全て日本人であり、日本にも4度来日するなど、日本文化を好んでいたようです。
そんなチャップリンの、生き方に関する名言です。
生きていると嬉しいことだけでなく、うまくいかないことや、悲しいことややりきれないこともありますが、チャップリンは、上記のように言っています。
紆余曲折あっても、最終的に振りかえって笑えれば、それで全て報われる、ということだと思います。
しかしそれは、なあなあに生きていてはダメで、真剣に生きているからこそ、最後にそう感じることが出来るんだろうとは思います。
チャップリンの作る映画は、貧しい人や落ちぶれた人、戦争の兵士や時の権力者など、シリアスな設定を扱っているにも関わらず、全体を通して全てコメディドラマに仕上げてしまいます。
この言葉はまさにチャップリンの信条が詰まっている言葉と言えます。
短いですが、深い言葉ですね。
文の構造
「In the end, A is B is . 」=「最後には、AはBだ。」
「A」=「everything」
「B」=「a gag」が入ります。
「In the end」とは?
「in the end」=「最後には」という意味になります。
「in(イン)」=「~の中に・で・の」という意味(場所・位置・方向、時間、状態、着用、範囲、材料・方法、目的、関係性、従事)という用法で使われる前置詞で、「中へ」という意味の副詞、「内部の」という意味の形容詞、「s」がついて「与党、現職者」という意味の名詞でもあります。
たくさん使い方がありますが、「~の中にある、入る」というようなイメージを持っておきましょう。
「the(ダ)」=「その、あの、例の」という意味の定冠詞(定まったものにつく)で、「それだけ、ますます」という意味の副詞です。
「end(エンドゥ)」=「終わり、終末、末端、限界、最後、死、結果、目的、残り、役割」という意味の名詞、「終わる、終える、やめる、殺す」という意味の動詞です。
「エンド」は日本でもたまに耳にしますね。
「in the end」は、直訳すると「その終わり中に、終わりに」という意味になっていて、直訳でも意味は分かると思いますが、一つの熟語になっているので注意です。
「in the end」=「最終的に、最後は、最後には、ついには、結局、つまるところ」という意味の熟語になります。
発音は、「the」の後が「a,i,u,e,o」で始まっているので、「インダ」ではなく、「インディ」になります。
「at the end」と「in the end」の違い
似た言葉に「at the end」という言葉がありますが、意味が違うので使い分けましょう。
「at the end」=「(~の)終わりに、(~の)最後に」という意味で、「特定の期間や場所、物や出来事の終わり時」を指しています。
「at」の特性通り、ピンポイントである部分を指しています。
例えば、
「We went to a restaurant at the end of the day.」=「その一日の終わりに私たちはレストランに行った。」
「There’s a post office at the end of the street.」=「その通りの最後に郵便局があります。」
「At the end of the game, my team scored a goal.」=「その試合の終わりに、私のチームはゴールを決めた。」
などと、使えます。
「everything is a gag.」とは?
「everything is~」=「全ては~」という意味になります。
「every(エブリ)」=「(それぞれ)全ての、あらゆる、~ごとに」という意味の形容詞です。
「thing(ティング)」=「物、事、物事、事情、事態、行為、意見、事項」という意味の名詞です。
「everything(エブリティング)」=「何でもみんな、全て(のもの)、最も大切なもの」という意味の代名詞です。
J-POPの歌詞や歌のタイトルなどでも耳する「エブリシング」ですね。
「is(イズ)」=「~は」という意味の動詞、be動詞です。
「everything is~」=「全ては~」という意味になります。
「a gag」=「ある笑い話」という意味になります。
「a」=「一つの、ある」という意味の不定冠詞(定まっていないものにつく)で、名詞の前に付きます。
「gag(ギャグ)」=「ギャグ・ダジャレ、冗談・笑い話、(笑いを誘う)滑稽な動き、さるぐつわ、開口器」という意味の名詞、「ギャグ・ダジャレ・冗談・笑い話を言う、言論抑圧をする、さるぐつわをする」という意味の動詞です。
日本のお茶の間でも、「ギャグ」という言葉は耳にしますね。
「gag」=「笑い話」という意味になります。
「everything is a gag」=「全てはある笑い話だ」という意味になります。
「gag」は「joke」と似た意味ですが、
「joke(ジョーク)」=「冗談、いたずら、笑い者」という意味の名詞、「冗談を言う、からかう」という意味の動詞です。
何が違うのかというと、
「gag」と「joke」の違い
「gag」は「人前でパフォーマンスするコメディアンや演者が行う冗談や笑いを誘う動きなど」で、「joke」は「一般的な人も言う冗談」というニュアンスです。
コメディアンも「joke」を言いますが、コメディアンの「joke」は「gag」でもあり、「gag」は、見せること・コメディ要素を強く意識したものです。
外国の方々は日常でよく冗談を言うのが好きですが、それらは「joke」であり、「gag」とはあまり言わないという感じです。
また、「gag」の方が単なる冗談だけでなく、体の動きなども入るので、「joke」よりも広い意味の笑いになります。
コメディアンであるチャップリンならではの言い回しと言えるかもしれませんね。
全てつなげて訳すると・・・
「In the end, everything is a gag. 」=「最後には、全てはある笑い話だ。」となります。
ぜひ、声に出して読んでみて下さい。
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