意味=「彼らに真実を知らせなさい。そうすれば、その国は安全である。」
エイブラハム・リンカーンの名言
「 Let them know the truth, and the country is safe.」-Abraham Lincoln
「レッデムノウダトゥルウス、エンダカントゥリイイズセイフ。」
アメリカ合衆国第16代大統領であり、「奴隷解放の父」と呼ばれるエイブラハム・リンカーンの言葉です。
農家の家に生まれたリンカーンは、一般的教育をほとんど受けていないにも関わらず、独学で弁護士になり、州議院や下院・上院議員を経て、51歳でアメリカ合衆国大統領に就任します。
幼いころから奴隷制度を目の当たりにしてきたリンカーンは、就任前から奴隷制度を撤廃する働きを進めてきました。
そんなリンカーンに反対するアメリカ南部の州が連合を組み、政府と対立したことで南北戦争がはじまり、リンカーンはその最中に奴隷解放宣言を行い、それがきっかけで全米に奴隷解放運動が広がりました。
54歳の若さで暗殺されてしまいますが、歴代の大統領の中でも、歴史的な転換点を作った偉大な人物として称えられています。
そんなリンカーンの、国民に対する姿勢の名言です。
リンカーンが亡くなった2日後、1865年4月17日の「Boston Morning Journal」という新聞に載った、生前の1864年7月のリンカーンへのインタヴューの一節です。
北軍と南軍の戦争が終結しかけていましたが、まだ終わらずに、疲弊した雰囲気が広がっている時にリンカーンが言った言葉です。
リンカーンはそのインタヴューで、「私は人々を信じている。彼らは不和には納得しない。危険は、彼らが誤って導かれることだ。」(I have faith in the people. They will not consent to disunion. The danger is, they are misled.)とも語っています。
政治家的な言葉ではありますが、リンカーンの誠実な性格がうかがえる言葉ですね。
真実を知らせる、というのは、簡単なようで中々難しい時もあるかもしれませんが、何かと不都合を隠すことが多い昨今の政治家たちに聞いてもらいたい言葉ですね。
文の構造
「Let A know B, and C is D.」=「AにBを知らせろ、そうすればCはDだ。」
「A」=「them」
「B」=「the truth」
「C」=「the country」
「D」=「safe」が入ります。
この文のポイント
・「let~ 」の意味と使い方。
・「and」の「そして」より一歩進んだ意味。
「 Let them know the truth」とは?
「let A ~」=「Aに~させる」という意味になります。
「let(レットゥ)」=「させる、させてやる」という意味の動詞で、勧誘・命令・許可・仮定の意味で使われたりします。
「let A~」=「Aに~させる」という意味になります。
よく聞く、「let’s go.(レッツゴー)」=「さあ、行こう。」は「Let us go.」の略で「我々(us)に行かせる=行こう」という勧誘の意味になります。
会話中によく使われる「Let me see.(レッミースィー)」=「うーん・・・」「見せて」というのも同じ構造です。
「Let me think.(レッミーティンク)」=「私に考えさせる」→「私に考えさせて(命令形)。」という意味になります。
「let」単独で使われるよりも、上記のように他の動詞とくっついて使われることが多いです。
「let A know B」=「AにBを知らせる」という意味になります。
「let A ~」にもう一つ言葉が付いた文になります。
「know(ノウ)」=「知る、知っている、経験する、理解している」という意味の動詞であり、「熟知」という意味の名詞でもあります。
単純に、会話中に「I know.」とだけでも非常によく使います。
相手が説明したことを知っている時、知っているか尋ねられた時など、使い勝手が良いです。
「let A know B」=「AにBを知らせる」という意味になります。
「tell A B」=「AにBを伝える」と似た意味ですが、
「tell A B」は「今すぐ、今知っていることを伝える」ニュアンスで、
「let A know B」は「今も含め、今から未来にかけて知ったことを、すぐではなくても知らせる」ニュアンスになります。
「let them know the truth」=「彼らにその真実を知らせろ」という意味になります。
「them(デム)」=「彼らを、彼らに」という意味の代名詞です。
ここでいう「them」は、本文の前にリンカーンが言った「the people(その人々)」の事を指しています。
前文の、「I have faith in the people. They will not consent to disunion. The danger is, they are misled.」の「the people」の部分です。
「the(ダ)」=「その、あの、例の」という意味の定冠詞(定まったものにつく)で、「それだけ、ますます」という意味の副詞です。
「truth(トゥルウス)」=「真実、真実性、真理、真相、事実、正直、誠実」という意味の名詞です。
「the truth」=「その真実」という意味になります。
「let them know the truth」=「彼らに真実を知らせる」という意味になります。
さらに、前に主語がないので命令形になり、
「let them know the truth」=「彼らに真実を知らせろ」という意味になります。
「truth」と「true」
似た「true」にも名詞として「真実」という同じ意味がありますが、名詞として使われることは少なく、
「真実」と言う時は「truth」の方が名詞として頻繁に使われます。
なので、「真実」という名詞で言いたい時は「truth」「真の~」という形容詞で言いたい時は「true」を使うと良いです。
ちなみに、
「true(トゥルー)」=「真の、本当の、誠実な、正確な」という意味の形容詞、「真実に、正確に」という意味の副詞、「真実、正確な状態」という意味の名詞、「正しく合わせる、まっすぐにする」という意味の動詞です。
「and the country is safe」とは?
「and」=「そうすれば」という意味になります。
「and(エンドゥ)」=「そして、及び、なおかつ、また、すると、そうすれば」という意味の接続詞です。
「そして」などの意味で前文と後文をつなぐ役目がありますが、今回の様に前文の結果としての「すると、そうすれば」という意味でも使われます。
「the country is safe」=「その国は安全だ」という意味になります。
「country(カントゥリィ)」=「国、国家、国土、国民、祖国、地帯、分野、田舎、地方、故郷」という意味の名詞、「田舎風の、カントリーミュージックの」という意味の形容詞です。
「the country」=「その国」という意味になります。
「is(イズ)」=「~は」という意味の動詞、be動詞です。
「safe(セイフ)」=「安全な、無事な、間違いない、信頼できる、ありがたい、確実に~する、無難な、害のない、逃亡の恐れのない、セーフの」という意味の形容詞で「金庫、保管庫」という意味の名詞でもあります。
「セーフ」は、日本語でも野球用語も含めよく聞く印象ですね。
「the country is safe」=「その国は安全だ」という意味になります。
「and the country is safe」=「そうすれば、その国は安全だ」という意味になります。
全てつなげて訳すると・・・
「let them know the truth, and the country is safe」=「彼らに真実を知らせろ、すると、その国は安全だ」という意味になります。
ぜひ、声に出して読んでみて下さい。
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