意味=「芸術の目的は、日々のほこりを我々の魂から洗い流すことだ。」
パブロ・ピカソの名言
「The purpose of art is washing the dust of daily life off our souls.」-Pablo Picasso
「ダ パーパス オブアート イズ ワッシング ダダストオブ デイリーライフ オフ アワーソウルズ」
「ゲルニカ」や「泣く女」などの絵で知られる画家、芸術家のパブロ・ピカソの名言です。
幼いころから非凡な絵の才能を発揮し、油絵だけでなく、版画や彫刻、陶器など、制作は多岐に渡り、その画風は年代によって劇的に変わるなど、多彩な芸術家でした。
遠近法を無視して、様々な角度から見た形をひとつの絵に収め、抽象的な画風で描く「キュビズム」というジャンルを確立しました。
ピカソの絵の題名は知らなくても、人の顔や物が歪んで描かれている、一見奇妙に見えるピカソの絵自体は見たことがある人が多いと思います。
ピカソはそういった「キュビズム」の絵しか描けないわけではなく、写真のようなデッサンを書く技術を幼いころから持っていたにも関わらず、それを壊すという所に行きつきました。
ピカソの作品は愛好家の間で高く評価され、「アルジェの女たち バージョン0」という絵は、2015年のニューヨークの競売で215億円で落札されています。
そんな稀代の芸術家、ピカソのアートに関する名言です。
誰しも言葉に出来ない気持ちや感情を抱えたまま、もんもんとした日常を過ごしている時があるのではないでしょうか?
何か違和感は感じるけど、原因が分からない、自分が何を考え感じているのか、はっきりとわからない、でも大した問題ではないからと放っておくと、それは無意識のうちに次第に溜まっていってしまいます。
存在する言葉では表現できない、頭の中で言葉にも出来ない、したくないようなことがあったとしたら、それはどう処理すればいいのか分かりません。
そんな時、芸術が助けてくれる、とピカソが教えてくれています。
思いのままに絵を描いてみたり、何かを作ってみたり、何かしらの手段で自分の抱えた気持ちが表現できるかもしれません。
芸術の目的は、そういった日々魂に積もるゴミを洗い流すことであると言っています。
評価されるため、お金を得るためなどではなく、歯磨きやお風呂に入るような日課のごとく、やらずにはいられないということでしょう。
スペイン人のピカソは、スペインの街ゲルニカがドイツ軍に無差別空爆されたことを題材に、大作「ゲルニカ」を書き上げました。
史上初めての都市空爆とされ、民家も標的になったゲルニカの惨事は、筆舌に尽くしがたいものだったでしょう。
ピカソはまさに、魂に積もった大量のちりやごみを、ゲルニカの絵を描くことで爆発させたのではないでしょうか?
芸術とは、身近に即しているものだ、と教えてくれる貴重な名言です。
文の構造
「The purpose of art is A.」=「芸術の目的はAだ。」
「A」=「washing the dust of daily life off our souls」が入ります。
さらに、「A」はどんな構造化というと、
「A」=「washing B off our souls」=「我々の魂からBを洗い流すこと」となり、
「B」=「the dust of daily life」が入ります。
「The purpose of art is~」とは?
「the purpose」=「その目的」という意味になります。
「the(ダ)」=「その、あの、例の」という意味の定冠詞で、「それだけ、ますます」という意味の副詞です。
「purpose(パーパス)」=「目的、意図、意志」という意味の名詞、「しようと思う、決意する」という意味の動詞です。
名詞の意味で使われています。
「of(オブ)」=「~の」という意味になります。
「of(オブ)」=「~の、~に」という意味の前置詞で、「所有・所属」、「距離・分離」「起源」「時刻」「理由・原因」「材料・構成」「分量」「部分」「関係」「作者・行為者」など、実に様々な時に使われます。
「art」=「芸術」という意味になります。
「art(アート)」=「芸術、美術、芸術作品」という意味の名詞、「技巧的にする」という意味の動詞です。
「the purpose of art」=「芸術の目的」という意味になります。
「is(イズ)」=「~は」という意味になります。
「is(イズ)」=「~は」という意味の動詞です。
「the purpose of art is~」=「芸術の目的は~」という意味になります。
「washing the dust of daily life off our souls.」とは?
「wash A off B」=「BからAを洗い落とす、洗い流す」という意味になります。
「wash(ワッシュ)」=「洗う、洗濯する、(波が)打ち寄せる、さらっていく」という意味の動詞、「洗うこと、洗濯、洗濯もの、打ち寄せ、洗浄剤」という意味の名詞です。
「off(オフ)」=「~から(離れて)、~から外れて」という意味の前置詞、「離れて、立ち去って、切れて、外して、割引して」という意味の副詞、「遠い方の、向こうの、分かれた」という意味の形容詞です。
スイッチを「オン・オフ」するの「オフ」です。
ここでは前置詞の用法で使われています。
「wash」+「ing」がつき、「washing(ワッシング)」となっています。
「ing」=現在分詞、動名詞を作る接尾辞です。
動詞に「ing」がつくと、現在進行形や、形容詞的な使い方が出来ます。
「washing」=「洗うこと」という意味の動名詞になっています。
「washing A off B」=「BからAを洗い落とす、洗い流すこと」という意味になります。
ちなみに、
動名詞とは、動詞に「ing」を付けたことで名詞になったものを言います。
例えば、
「walk(歩く)」→「walking(歩くこと)」、「swim(泳ぐ)」→「swimming(泳ぐこと、水泳)」、「dive(潜る)」→「diving(潜ること、潜水)」というように名詞になります。
よく使うものは、日本語英語でも耳慣れたものになっています、「ウォーキング」「ランニング」「スイミング」「クライミング」も全て動名詞ですね。
「the dust」=「ほこり」という意味になります。
「dust(ダスト)」=「ちり、ほこり、花粉、くず」という意味の名詞、「ふりかける、ちりを払う」という意味の動詞です。
和製英語でも聞いたことのある「ダスト」です。
「the dust」=「ちり、ほこり、花粉、くず」という意味になります。
「daily life」=「日常の生活」という意味になります。
「daily(デイリー)」=「毎日の、日常の」という意味の形容詞、「毎日」という意味の名詞、「毎日、日ごとに」という意味の副詞です。
「life(ライフ)」=「人生、命、生活」という意味の名詞です。
ゲームなどでよく「ライフ」=「命」という意味で日本でも聞く言葉ですが、英語だと「人生」という意味もあるので注意です。
「daily life」=「日常の生活」という意味になります。
「the dust of daily life」=「日常の生活のほこり」という意味になります。
上記をくっつけると、
「washing the dust of daily life off~」=「日常の生活のちりを〜から洗い流すこと」という意味になります。
「our souls」=「我々の魂」という意味になります。
「our(アワー)」=「我々の~、私たちの~」という意味の所有格です。
「soul(ソウル)」=「霊魂、精神、熱情」という意味の名詞です。
「our souls」=「我々の魂」という意味になります。
「washing the dust of daily life off our souls」=「日常の生活のちりを我々の魂から洗い流すこと」という意味になります。
訳すると・・・
「The purpose of art is washing the dust of daily life off our souls.」
=「芸術の目的は、洗い流すことだ、日常生活のほこりを、我々の魂から」
=「芸術の目的は、我々の魂から日常生活のほこりを洗い流すことだ」となります。
ぜひピカソの名言を口に出してみて下さい。
ピカソの言うように、何かをやってほこりを洗い流してみたいと思います。
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