「That’s not going to bring my brother back at all.」-Terrence Floyd(テレンス・フロイド)

悲しみ
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意味=「それは私の兄を全く連れ戻しはしない。」

テレンス・フロイド氏の言葉

「That’s not going to bring my brother back at all.」-Terrence Floyd

「ダッツ ナットゥ ゴーイングトゥーブリング マイブラダー バックエットール」

2020年5月25日、アメリカのミネソタ州、ミネアポリスの路上で、アフリカ系アメリカ人のジョージ・フロイドさんは、警察官からの取り調べ中に、警察官に首を膝で抑えられたまま窒息死させられてしまいます。

その光景を、居合わせた一般人が撮影した映像がSNSやニュースで広がり、人種差別に対する抗議活動がミネアポリスからたちまちアメリカの多くの地域にまで波及し、やがて一部の暴徒が街の店を襲撃するという事態になってしまいます。

平和的な抗議デモに交じって、街やパトカーを破壊したり、略奪したり、それに対して政府側も軍を投入したりと、一触即発の雰囲気になってしまいました。

そんな時、ジョージ・フロイドさんの弟、テレンス・フロイドさんが、事件の起こった場所に赴き、暴徒と化している抗議活動をする人たちに向かって、何をしているんだと、檄を飛ばします。

あなたたちは私の半分も怒っていない、その私が破壊活動をしていないのだから、あなたたちは何をしているんだ、何もしていない、そんなことをしても私の兄は帰ってこない、と、過激になりすぎた一部の暴徒に釘を刺します。

これは、実の弟のテレンスさんだからこそ強く言えることかもしれません。

抗議活動をしている人の中に、犯罪を犯す様な人たちが混じっていた、ということもあるでしょうが、そういうことをした途端に、泥試合になってしまいます。

テレンスさんの言葉は、今一度、冷静になれという意味が込められているのだと思います。

文の構造

「That’s not going to A.」=「それは、Aしないだろう。」

「A」=「bring my brother back at all」が入ります。

「That’s not going to ~」とは?

「That’s not ~」=「それは~ではない」という意味になります。

「that’s」=「that is」の省略形です。

「that(ダット)」=「あれ、それ、あの人」という意味の関係代名詞、「あの、その」という意味の形容詞、「そんなに」という意味の副詞、「理由・結果・目的」などの用途で使われる接続詞でもあります。

この「that」は何を指しているのかというと、テレンス氏が少し前に言った、「wilding out」「blowing up stuff」「messing up community」を一まとめにして指しています。

「wilding out」=「狂ったように振る舞う、暴れること」という意味のアメリカのスラングです。

「blowing up stuff」=「物を爆破する、吹き飛ばすこと」という意味、

「messing up community」=「地域社会をめちゃくちゃにする、台無しにすること」という意味になります。

「is(イズ)」=「~は」という意味の動詞、be動詞です。

「not(ナット)」=「~でない、~しない」という意味の副詞になります。

「That is not ~」=「それは~ではない」という意味になります。

「going to~」=「~するつもりだ」という意味になります。

「going」=「go」+「ing」になります。

進行形ではなく、「going to~」というフレーズで使われているので、注意です。

「go(ゴウ)」=「行く、(時間が)たつ、死ぬ、折れる、動く、賭ける」という意味の動詞、「行くこと、成功、流行」という意味の名詞、「正常に機能して」という意味の形容詞です。

「to(トゥー)」=「~に、~へ、~のために」という意味の前置詞で、「平常の状態に(戻って)、閉まって、前方に、活動を始めて」という意味の副詞でもあります。

「going to~」=「~するつもりだ、~する予定だ(あらかじめ決められていた予定、徴候や証拠に基づいたもの)」という意味になります。

「will」=「~だろう」とほぼ同じ意味に思いがちですが、ニュアンスが少し違います。

「going to~」が「過去から続いている」という持続的なニュアンスに対して、「will」は「今決めた」という瞬発的なニュアンスがあります。

例えば、「It will rain.」と「It is going to rain.」は、

どちらも「雨が降るでしょう。」という意味になり、どちらでも意味は伝わりますが、

「It is going to rain.」は、黒い雲が見えた、じとっとしてきた、など、いまにも降りそうな徴候を感じて言っているのに対して、

「it will rain.」は、ただ単に「雨が降るだろう」という予測を言っているに過ぎません。

あらかじめ決まっている予定に対しては、「will」ではなく、「going to」を使い、

「I’m going to visit my parents next Friday.」=「私は次の金曜日に親を訪ねるつもりだ。」

と表現するのが自然です。

「going to」は会話でもよく使う表現なので、覚えておくと便利です。

「That’s not going to~」=「それは~しないだろう」という意味になります。

「bring my brother back at all」とは?

「bring back」=「連れ戻す」という意味になります。

「bring(ブリング)」=「持ってくる、連れてくる、導く、もたらす」という意味の動詞です。

「back(バック)」=「背中、後ろ、奥、背景」という意味の名詞、「奥の、裏の、後ろの」という意味の形容詞、「後ろへ、後に、引き返して、逆らって、さかのぼって」という意味の副詞、「後退する、背を付ける、援助する」という意味の動詞です。

「bring back」=「戻す、連れ戻す、思い出させる、(制度などを)復活させる」という意味の熟語になります。

「my brother」=「私の兄(弟)」という意味になります。

「my(マイ)」=「私の」という意味の「I」の所有格です。

「brother(ブラダー)」=「兄弟、友、仲間」という意味の名詞です。

「my brother」=「私の兄(弟)」という意味になります。

「bring my brother back」=「兄・弟を連れ戻す」という意味になります。

「at all」=「少しも~ない(否定文において)」という意味になります。

「at(エットゥ)」=「~に、~で」という意味の前置詞で、「位置」、「時・年齢」、「状態」、「方向」、「経路」、「原因」、「代価」、「仕方」、「動作の仕方」など、様々な用途で使われます。

これもたくさんの場面で出てきますので、そのまま覚えていきましょう。

「all」=「全ての、全部の」という意味の形容詞、「全部、全員」という意味の名詞、「全く、すっかり」という意味の副詞「全員、全部」という意味の代名詞でもあります。

日本語でも耳慣れた「all」ですが、たくさんの場面でよく使われますが、とりあえず「全部、全て」という意味を知っていれば大丈夫です。

今回は、「all」と合わさって、「at all」という語句になっています。

「at all」=「少しも~ない、全く~ない(否定文で)」という意味になります。

「That’s not going to bring my brother back」=「それは私の兄を連れ戻しはしないだろう」という意味、

「That’s not going to bring my brother back at all」=「それは私の兄を少しも連れ戻しはしないだろう」という意味になります。

訳すると・・・

「That’s not going to bring my brother back at all.」

=「それは私の兄を少しも連れ戻しはしないだろう。」という意味になります。

テレンスさんのスピーチはYouTubeでも聞けるので、ぜひ聞いてみて下さい。

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