意味=「あなたがいる所から始めなさい。あなたが持っているものを使いなさい。あなたが出来ることをしなさい。」
文の構造
「Start where A. Use what B. Do what C.」=「Aで始めろ。Bを使え。Cをやれ。」となります。
「A」=「you are」
「B」=「 you have」
「C」=「 you can」が入ります。
命令文が3個羅列されている構造になっています。
アーサー・アッシュの名言
「Start where you are.Use what you have. Do what you can.」-Arther Ash.
「スタァト ウェア ユウアー.ユーズ ワッチュウ ヘブ.ドゥ ワッチュウ キャン.」
テニスの4大大会のシングルで優勝した初の黒人選手であり、輸血により感染したエイズで49歳の若さでこの世を去りました。
白人選手ばかりが活躍する昔のテニス界で、人種差別と闘いながら勝利を重ね、シングルで33回、ダブルスで14回優勝、1985年に国際テニス殿堂入りを果たしました。
デビスカップではアメリカ代表監督を務め、血気盛んなマッケンローを諌めながら、アメリカを勝利に導きました。
紳士的な人格でも知られたアーサー・アッシュ。
テニスプレーヤーとしての功績もさることながら、差別とも病気とも闘うその強い姿勢は多くの人に影響を与えました。
そんなアーサー・アッシュの、生き方に関する名言です。
あなたがやるべきことは、今からでもすぐに出来ると、優しく背中を押してくれているような名言です。
ただ「今やれ」と言うわけではなく、具体的に言うこの言い回し方に知的さや優しさを感じますね。
人は誰しも、自分のいる場所や環境、持ち物や自分の能力の限界を勝手に決め、それを言い訳にして何も行動しなくなってしまったりします。
そうではなく、場所を選ぶのではなく今いる場所どこからでも始めればいいし、持ち物が限られているなら工夫して使えばいい、出来ないことが多いなら出来ることをしっかりやればいいと、アーサーは言っているのではないでしょうか。
現実を直視した上でを、自分がどうするか?と問いかけています。
実に現実的、合理的な考えですね。
他のテニスプレーヤーと闘うことはもちろん、差別や病気も、全て自分の実力や今の状態を知った上でしか健闘したり、勝ちに行くことは出来ないと、冷静に判断出来ていたんでしょう。
格好良いですね。
「Start wher you are.」とは?
「start where~」=「~の場所で始めなさい」という意味になります。
「start(スタァト)」=「出発する、出場する、始める」という意味の動詞で、「出発、開始」という意味の名詞でもあります。
「Start~」と動詞が文の最初に来ているので命令文になり、「始めなさい」となります。
「where(ウェア)」=「どこ、どこへ、する場所」という意味で、副詞、接続詞、代名詞、名詞と様々な用法があります。
この文では、代名詞で使われています。
「start where~」=「~の場所で始めなさい」という意味になります。
「you are」=「あなたは~」という意味になります。
「you(ユウ)」=「あなた」という意味の代名詞です。
「are(アー)」=「~は」という意味の動詞です。
「you are」=「あなたは~」という意味になります。
「where you are」=「あなたがいる場所」という意味になります。
疑問文であれば「where」の後は「are you」となりますが、この「where」は代名詞なので、「where」の後は「you are」と通常の文の並び方になります。
「start where~」と「where you are」二つを合わせて、
「Start where you are」=「始めなさい、あなたのいる場所で」=「あなたのいる場所で始めなさい」となります。
「Use what you have.」とは?
「use what~」=「~を使いなさい」という意味になります。
「use(ユーズ)」=「使用する、利用する、用いる」という意味の動詞であり、「使用、効用、利用」という意味の名詞でもあります。
これも文の最初に来ているので、命令文になり、「使いなさい」となります。
「what(ワットゥ)」=「何、どんなもの、どれほど」という意味で、「where」と同じく、副詞、代名詞、形容詞、間投詞と様々な用法があり、やはり代名詞の意味でこの文では使われています。
「use what~」=「~を使いなさい」という意味になります。
「you have」=「あなたは持つ」という意味になります。
「have(ヘブ)」=「所有する、持つ、取る、受ける、食べる、もらう、過ごす」という広い意味の動詞です。
この文章では「所有する、持つ」という意味で使われています。
「you have」=「あなたは持つ」という意味になります。
「what you have」=「あなたが持つもの、持っているもの」となります。
「what you」は、読み方が「ワットゥユウ」よりも、「ワッチュウ」の方が伝わりやすいと思います。
「what」の後ろ部分の「t」と「you」がくっついて、言うときはつながって「チュウ」とよくネイティブの人達は言います。
「ワットゥユウ」というと、「what do you」とも聞こえてしまいがちですし、「チュウ」の方が言いやすさもあって良いと思います。
「what」は「where」と同じくこの文では代名詞で使われているので、「what」の後は「have you」ではなく、「you have」となります。
「use what~」と「what you have」を合わせて、
「use what you have」=「使いなさい、あなたが持っているものを」=「あなたが持っているものを使いなさい」となります。
「Do what you can.」とは?
「do what~」=「~をしなさい」という意味になります。
「do(ドゥ)」=「行う、やる、成し遂げる」という意味の動詞です。
「what」は上記にあるように代名詞で使われています。
これも命令文なので、「do what~」=「~をしなさい」という意味になります。
「can(キャン)」=「(することが)できる」という意味の助動詞で、「缶」という意味の名詞でもあります。
「you can」=「あなたは出来る」という意味になります。
「what you can」=「あなたが出来ること」という意味になります。
上記と同じく、「what」の後は「can you」ではなく、「you can」となります。
「do what~」と「what you can」を合わせて、
「do what you can」=「しなさい、あなたが出来ることを」=「あなたが出来ることをしなさい」となります。
つなげて訳すると・・・
「Start where you are.Use what you have.Do what you can.」
=「始めなさい、あなたのいる場所で。使いなさい、あなたが持っているものを。やりなさい、あなたが出来ることを。」
=「あなたのいる場所から始めなさい。あなたが持っているものを使いなさい。あなたが出来ることをしなさい。」となります。
何かに言い訳してやるべきことをやらなかったり、逆に背伸びして無理してしまったり、現実から逃げたいような時に思い出したい言葉ですね。
4語が3つ並んでいるのも小気味よく、声に出すと心地よい名言です。
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