「How about another joke, Murray?」-Joker(Joaquin Phoenix)-ジョーカー(ホアキン・フェニックス)

狂気性
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意味=「もう一つのジョークはどうだい?マレー。」

ジョーカー(ホアキン・フェニックス)の名言

「How about another joke, Murray?」-Joker(Joaquin Phoenix)

「ハウエバウト アナダージョウク マレイ?」

ホアキン・フェニックスが2019年のアカデミー主演男優賞を受賞した怪作映画、「ジョーカー」より、ホアキン演じるジョーカーが、ロバート・デ・ニーロ演じるテレビ司会者のマレーに言った名台詞です。

コメディアンを夢見るアーサーは、障害を抱えながらも大道芸人として日銭を稼ぎ、狭いアパートで母親を介護しながら一緒に暮らしていましたが、市政の財政難から社会保障が打ち切られてしまい、仕事では同僚の裏切りでクビになってしまいます。

さらに、自分の本当の生い立ちを知ったアーサーは、唯一信じていた母親すらも信じられなくなり、ジョーカーへと変貌していきます。

そんなジョーカーの、ゾッとする名台詞です。

アーサーがスタンダップコメディをやっている映像を見た司会者のマレーは、ネタにするため、自身のテレビショウにゲストとしてアーサーを招きます。

ジョーカーとしてメイクして出演したアーサーは、一つジョークを言った後、話題になっている若者三人の殺害事件の犯人は自分だと言い張ります。

最初は冗談だと思っていたマレーと観客ですが、これはジョークではないと言ったことで、徐々に聞いている人が青ざめていく中、マレーはジョーカーを諫め、自首すべきだと言いますが、ジョーカーは一向に応じず、人々の無関心やマレーの冷淡さを糾弾し始めます。

マレーと激しい口論になり、ジョーカーは上記の台詞「もう一つのジョークはどうだい?マレー。」と言い、「もうたくさんだ!」というマレーに構わず、ジョーカーはとんでもない行動に出ます。

観客、テレビ局、この生放送を見ていた視聴者は一瞬にして凍り付きますが、それを尻目にジョーカーは軽やかなステップを踏んでみせ、放送は強制終了されます。

「How about~?」というフレーズは、日常でもよく使われる言葉ですが、こんなに怖い「How about~?」は聞いたことがありません。

ジョーカーがマレーに見せた「もう一つのジョーク」とは一体何だったのか、まだ見ていない方は、ぜひ映画でその恐ろしさを確認してみて下さい。

シンプルですが、狂気性などが凝縮された、映画史に残る怖い一言です。

この一言に限らず、このやり取りでは名台詞がたくさんあるので、これからも紹介していきたいと思います。

かつてキング・オブ・コメディーで狂ったコメディアン志望を演じたロバート・デ・ニーロと、今や怪優ナンバーワンであるホアキン・フェニックスの、息詰まるやり取りは見ものです。

文の構造

「How about A?」=「Aはどう?」

「A」=「another joke」が入ります。

「How about ~?」とは?

「how about~」=「~はどうか」という意味の熟語です。

「how(ハウ)」=「どんな風に、どうやって、どんな状態で、どれだけ、どう、いかが、なぜ、いかに、~する方法、どのように~しても、~ということ」という意味の副詞、「方法」という意味の名詞です。

「about(エバウト)」=「~について、大体、およそ、~の近くに」という意味の前置詞、「およそ、ほとんど、そこいらに」という意味の副詞、「針路を変える」という意味の動詞、「今にも~しようとする~」という意味の形容詞です。

「how about~?」=「~はどうか、~についてどう思うか」という意味の熟語になります。

こちらから提案する時や、何か意見を求める時、聞く時に使える、シンプルで非常に使い勝手の良いフレーズです。

便利ですので、丸ごと覚えてしまいましょう。

少しラフな印象なので、場所や人によっては、「would you like (to)~」や「What do you think about~」などで使い分けていきましょう。

例えば、「how about」を使う時は、

・何かを食べている人に、飲み物を持って行って、

How about a drink?」=「飲み物はどう?」と言ったり、

・自己紹介で、自分の出身地を言ったあと相手に、

How about you?」=「あなたはどう(どこの出身)?」と言ったり、

・スパゲッティが嫌いだと言っている人に、

How about pizza?」=「ピザはどう(好きか嫌いか)?」などと、色々な場面で使えます。

今回ジョーカーが言っているのは、提案の意味で、「どうか?」と「how about~」を使っています。

「another joke」とは?

「another」=「もう一つの」という意味になります。

「another(アナダー)」=「もう一つの、他の、さらに、別の」という意味の形容詞、「もう一つのもの・人、別のもの・人」という意味の名詞です。

ちなみに、似た言葉で「other」という言葉がありますが、

「other(アダー)」=「他の、異なった、次の、もう一つの、残りの」という意味の形容詞、「他の物、他の人、残りの物」という意味の代名詞、「そうでなく、別な方法で」という意味の副詞です。

とりあえず、「another」=「もう一つの」、「other」=「他の」と覚えておけば大丈夫です。

「joke」=「ジョーク」という意味になります。

「joke(ジョーク)」=「冗談、いたずら、笑い者、ジョーク」という意味の名詞、「冗談を言う、からかう」という意味の動詞です。

和製英語でもよく聞く「ジョーク」で、訳さずにも通じる単語かもしれません。

ちなみに、映画のタイトルにもなっている、ホアキン・フェニックス演じる「joker」=「ジョーカー」という言葉にも意味があって、

「joker(ジョーカー)」=「冗談を言う人、おどける者、やつ、無能な人、ぺてん、(トランプの)ジョーカー」という意味の名詞になっています。

トランプのジョーカーであり、冗談を言う人でもあり、ペテンでもあり、と、色んな意味が含まれている深い単語で、この名前を冠した「ジョーカー」というバットマンの悪役は、絶妙に不気味な存在になっていますね。

「another joke」=「もう一つのジョーク」という意味です。

二つをつなげて訳すると・・・

「How about another joke, Murray?」=「もう一つのジョークはどう?マレー。」という意味になります。

ぜひ、ジョーカーになりきってこのセリフを言ってみて下さい。

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