意味=「私は決して君の上にはならない。君の下にもならない。いつも君の横にいる。」
ウォルター・ウィンチェルの名言
「Never above you. Never below you. Always beside you. 」-Walter Winchell
「ネバー アバブユウ。ネバー ビロウユウ。オールウェイズ ビサイズユウ。」
アメリカの新聞記者、ジャーナリスト、ラジオパーソナリティーで、1930〜50年代のアメリカで大きな影響力を持ち、ドラマシリーズの「アンタッチャブル」のナレーターも務めた、ウォルター・ウィンチェルの名言です。
アメリカ空軍で2年働いた後、若き頃からウィットに富んでいたウィンチェルは、劇場の掲示板に駄洒落などを投稿していたことが新聞社の目に留まり、ボードヴィル・ニュースの特派員になり、その後はニューヨーク・イブニング・グラフィックやデイリー・ミラーなどでも舌鋒鋭い記事やコラムを書き続けました。
ラジオパーソナリティとしても人気になり、全盛期には週に5000万人ものアメリカ人がウォルターのラジオを聴くか、コラムを見ていたと言われています。
ユダヤ人であったウォルターは、ヒトラーや、アメリカのファシズム支持者や人種差別主義者を最初に痛烈に批判したコメンテーターの一人とされています。
そんなウォルター・ウィンチェルの、人間関係に関する名言です。
ウォルターが、結婚生活について述べた時の言葉ですが、人間関係において大事なことを教えてくれている言葉です。
仕事上の上下関係や、何かについて判断が出来る人は自然とリーダーのようになってしまいますが、根本の人間同士の関係は、上も下もなく対等です。
先輩からこの言葉を言われたら安心しますし、後輩から言われたらハッと気づかされるかもしれません。
結婚生活ももちろん、どんな関係性であれ、対等であるべきだと教えてくれています。
3つずつの言葉で3つの文章が作られていて、まるでラップのように小気味良く、なおかつ深い意味が表現されている面白い名言です。
上や下という空間的な意味合いを使いながら、関係性を表現するという、ウィットに富んだ文になっています。
文の構造
「Never A. Never B. Always C.」=「決してAじゃない。決してBじゃない。いつもCだ。」
「A」=「above you 」
「B」=「below you」
「C」=「beside you」が入ります。
①「Never above you」とは?
「never」=「決して~ない」という意味になります。
「never(ネヴァー)」=「決して~ない、かつて~ない、少しも~ない」という意味の副詞です。
「never」がつくと、打消しの意味になると覚えておきましょう。
「above you」=「あなたの上」という意味になります。
「above(アバヴ)」=「上に、より上に、上流に、~を超える、~の力の及ばない」という意味の前置詞、「上の方に、天に、超えて、上方に」という意味の副詞、「上記の、前述の」という意味の形容詞、「上記の事、前述の事、天上世界」という意味の名詞です。
「you(ユウ)」=「あなたは、あなたが、あなたを、あなたに」という意味の代名詞です。
「above you」=「あなたの上」という意味になります。
「never」をくっつけて、
「never above you」=「決してあなたの上じゃない」という意味になります。
②「Never below you.」とは?
「below」=「~の下に」という意味になります。
「below(ビロウ)」=「~の下に、~より劣って、~に値しない、~以下の」という意味の前置詞、「下に、地上に、地獄に、下流に、零下」という意味の副詞です。
「below you」=「あなたの下」という意味になります。
①と同じ構造になっているので、「never」をくっつけて、
「never below you」=「決してあなたの下じゃない」という意味になります。
「 Always beside you. 」とは?
「always」=「いつも」という意味になります。
「always(オールウェイズ)」=「いつも、常に」という意味の副詞です。
日本映画の「always三丁目の夕日」の「always」です。
「beside」=「~の横に」という意味になります。
「beside(ビサイドゥ)」=「~のそばに、~の横に、~と比較して、~の他に、~をはずれて」という意味の前置詞です。
「beside you」=「あなたの横に」という意味になります。
「always」をくっつけて、
「always beside you」=「いつもあなたの横に」という意味になります。
なぜ主語がないのか?
この文には主語がないから、文章として伝わるのか?と思うかもしれませんが、これでも十分に伝わります。
どちらかというと、しゃべっている時の、口語で使われるような文です。
日本語でも、「君の上じゃない」と主語を抜いていう事もありますから、特に不自然な訳ではなく、そこは英語も自由に使うことが出来ます。
もし分かりづらければ、全ての文の最初に、「I will be~」=「私は~になるだろう」をつければ分かりやすくなります。
「I will never be above you. I will never be below you. I will always be beside you.」
=「私はあなたの上にはならないだろう。私は決してあなたの下にはならないだろう。私はいつもあなたの横にいるだろう。」となります。
全てつなげて訳すると・・・
「Never above you. Never below you. Always beside you. 」
=「私は決してあなたの上にはならない。私は決してあなたの下にはならない。私はいつもあなたの横にいる。」となります。
リズミカルな文でもあるので、ぜひ声に出してみると面白いと思います。
こんなことがさらっと言える大人になりたいです。
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